感情は色のようなもの

最近、心拍数を測定しながらジョギングしています。心拍計とアプリがセットになっているものを使っていて、走行中、心拍数を上げたり下げたりするようにイヤホンから指示が聞こえるようになっています。慣れてくると、このくらいの走りならこのくらいの心拍数だ、ということが感覚的にわかってきて、心拍数がそれなりにコントロールできるようになっていきます。

感情のスペクトラム

近年、感情に対して全く新しい考え方が出てきています。その一つが、コア・アフェクト理論というものです。この理論によれば、心拍数などの「覚醒状態」と、「心地よいか不快か」の2つが、感情をもつ決め手になります。

心理学者のバーレットは、「感情とは色のようなものだ」と述べています。色自体は、光りの周波数で、それを受け取った人間が「青」とか「赤」と名付けています。周波数自体が「青い」わけではありません。感情もそれと似ていて、感じる段階では、心地よいドキドキとか不快なドキドキとかそんな状態です。それを、感じた人が「楽しい」とか「悲しい」と名付けているんだ、ということです。名付ける際には、たとえば「楽しいとはこういうこと」というような感情についての知識が影響します。つまり、楽しいってどういうことかを知らない人は、知っている人よりも、楽しいに気づきにくいことになります。これは、たとえば音楽の知識が豊富な人ほどイントロを聴いただけで曲名とかジャンルを当てられるのに似ています。

感情のコントロール

感情への気づきとコントロールが難しい人も多い発達障がいですが、怒りや喜びといった感情の名前やその表情、定義などについて学ぶことが、感情をコントロールするスキルの獲得に役立つといわれています。実際、キャットキットという療育プログラムでは、感情の学習が大切な項目の一つとして位置づけられています。また、呼吸法などのリラックス法をやると、心拍数が下がります。心拍数が下がると「覚醒」が下がり、感情の変化を感じられるのかもしれません。

自分の感情を「モヤモヤしてる」とか「ムカムカしている」というような曖昧な状態で感じる人よりも、具体的に理解する人(いまいら立ちと不安と悲しみが混じってる状態かな?のうような)の方が、感情はコントロールしやすくなります。もちろん、我々の頭はそんな曖昧な状態でも大丈夫なようになっているので、普段からそんな細かく把握する必要はないと思います。ただ、モヤモヤをすっきりしたい、と思うようなときは、あなたのコア・アフェクトがどう感じられるか、まず探って名前をつけてみてはいかがでしょう。


参考にした文献
・感情心理学入門 大平英樹編 有斐閣
・Barrett, L. F.(2006).Solving the Emotion Paradox:Categorization and the Experience of Emotion. Personality and Social Psychology Review, 10, 20-46.